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グローバル化が進んだ段階では、商社や航空会社のような広く海外に拠点をもっ企業があてはまるわけだ。
一方、ネットワーク・ニーズの観点では別の見方ができる。
海外に拠点展開をしていることと、グローバル・コミュニケーションのニーズがどれだけあるかは必ずしも一致しない。
と言うのは、拠点がグローバル化してネットワーク・ニーズも高い企業がある反面、現地化が進んでいる段階でも現地法人が行っている業務によっては、海外法人間のネットワーク・ニーズはまだ小さく、これから必要になってくる段階の企業もあるからである。
ターゲットにする顧客をどこに置くかを絞り込むには、図表上のコインの絵で表した海外のネットワークのインフラに何を使っているかが重要な判断材料になる。
要するに、すでにグローバルなニーズがあり、お金をかけて専用回線をもっている企業は、これから新規に専用線サービスを買うことは少ないだろうと見る一方で、ニーズは高いが、お金はまだこれからという企業は、セールスのオポチユニティー(機会)が十分にあるということになる。
したがって、図を右上から左下へかけての対角線で区切ってみたときに、CやDに属する企業で対角線より下側に位置し、パッケージやVANを使っている企業が潜在的な顧客としてオポチユニティーが高いということになる。
その次がこれからニーズが高まることが予想されるEに属する企業群である。
このように「顧客」と言っても、AからEまで五つに分類ができるわけだが、一つひとつの違いを考慮せずに集合名調で扱い、戦略を議論している段階では、結論の出しょうがない。
各分類に属する顧客の特性を考慮し、その顧客に最もアピールするポイントは価格なのか、それとも二国間のネットワークが強ければよいのか、もっとグローバルなネットワークでないとお話にならないのかなどを議論する必要がある。
特性が異なれば、何をプロダクトやサービスとして提供するかという観点が当然変わる。
特性によって顧客を分類した上で、「この顧客は今後ニーズが増大するのに、まだお金をかけていないから、攻めどころだ」という話になれば、誰でも同じ土俵で議論をすることが可能になる。
誰にでも理解できる共通の土俵をつくることが、分析結果を図にする目的なのである。
では、こういった図に使う縦軸と横軸はどうやって決めるのか。
結論から言うと、こうやれば必ずうまく描けるという方法論は存在しない。
方法論に関して説明したように、クライアントによってそれぞれ事情は異なる。
要するに常に「過去に例のない唯一クライアント」であり、まったく同じ状況にいるクライアントは世の中に二つとして存在じない。
そのため、どういった縦軸と横軸がフィットするかは、クライアントによって違うことをまず念頭に置いておかなくてはならない。
ただし、今まで作成した事例ゃうまくいったパターンを試す価値はある。
実は、一枚の図表の縦軸と横軸を決定し、どういった表現にするかを最終的に詰めるまでには、報告書に採用されなかった試作品が2O枚、3O枚と存在するのである。
本書の最後でも述べるつもりだが、ビジネスの世界には「正解」は存在しない。
ただし、「自分が言いたいこと」、あるいは「相手へのわかりやすさ」という点で、「よりよいもの」は存在する。
「何が一番よいか」はひとつではなく、いくつも存在する。
それは人によってアイデアがあり、表現方法が異なるからだ。
そして、「一番よいもの」を見つけ出すには、自分で考えて試行錯誤するしかないのである。
正解を求めていくら本を読もうが、過去の分析や成果物を集めようが、そのなかに正解はない。
それらを参考に、目の前のクライアントにとって一番よいものをつくることが、コンサルタントとしての付加価値ということになるのである。
そのためには、とにかく労力を惜しまないことが、最大の成功要因である。
それに、過去の成功にとらわれないようにすることだ。
どんどんつくって、そのなかから選ぶ。
よくないものや古いものは惜しげもなく捨て、常に新しいものを生み出すマインドをもっていなければならない。
最近話題となっているIT変革のキーワードに焦点を合わせ、変革の現場でITコンサルティングのマインドとスキルをいかに発揮し、考え行動するかを論じることにある。
取り上げるのはCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、コステイング(特にABC、アクティビティー・ペースト・コステイング一活動基準原価計算)とSCM(サプライチェーン・マネジメント)である。
読者の方が変革を具現化すべく実際のプロジェクトの現場に立ったとき、参考にしていただければと考えている。
最近、書店に行けばCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、あるいはeCRMという活字が目に飛び込んでくる。
インターネットやeビジネスを考慮に入れたCRM、ネットワーク利用を前提にしたCRMといった題名の本がたくさん並んでいることに気づくはずだ。
このCRMという言葉は、ITの発達や情報インフラの発展を受けて、最近、ある種ブームのようになってきた言葉である。
簡単に言うと、CRMとは、顧客とよい関係を結ぶこと、あるいは杵を結ぶことによって、自分たちのファンになってもらえるようにコミュニケーションの仕組みをつくり、実行することである。
その結果、自分たちの商品やサービスを選ぴ購入してもらうことを目的とした、経営手法または概念を語っているものである。
「顧客とのコミュニケーションや幹づくり」が改めて注目される背景には、携帯電話やインターネットの発達、データ・ウェアハウス(データ倉庫)の進化などがある。
ビジネスの規模が小さい町の八百屋さんや魚屋さんであれば、顧客一人ひとりと話す、顧客一人ひとりにおまけをつけるなど、その人向けの何かをすることができた。
かぎられた数の顧客を相手にしている店主にとっては、「どこそこの何丁目の誰々さんだね」、「じゃあ、今日はこういう魚が入ったからお勧めだよ」とか、「お宅の旦那さんはマグロが好きだったよね」といったことができたわけだ。
ところが、ビジネスの規模が大きくなり、スーパーマーケットやメガ・ストアの時代になると、合理性、効率性が前面に出され、そういった会話は消えていったのである。
マス・マーケティングとマス・マーチャンダイジングにより数百万とはいかなくても、1O万とか数万のオーダーの顧客を相手にするようになると、一人ひとりの名前や顔を思い浮かべることはほとんど不可能である。
確かに一人ひとりに語りかけるために、電話をかける、あるいはDM(ダイレクト・メール)を送る、チラシを投げ入れるといった方法は存在する。
ただし、どれをとっても、一人ひとりに別々なものをつくると、ものすごく高くつく、あるいは手間がかかることから、実現を諦めていたと言ってもよい。
それが携帯電話であれば、一人ひとりがポケットのなかにもっていて、メールを送るのに一円ですむ。
インターネットであれば、自社でウェブサイトをもっていれば、顧客の方から訪問して掲載した情報を読んでくれる。
本タイトル&説明文は、やはり本の内容だけではありません。
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